茨城県那珂市にある、主に糖尿病や動脈硬化など、生活習慣に関わる内科クリニック(医院)です。

医療法人健清会

2008年5月22日~2008年5月24日

東京国際フォーラム

新しい持効型インスリンアナログ製剤インスリンデテミルは糖尿病患者のQOLを向上する

道口佐多子、佐藤千代子、小野陽子、斎藤三代子、
高柳尚子、大和田直樹、遅野井健

目的

持効型インスリンアナログ製剤デテミル(以後:デテミル)の効果とNPH、グラルギンとの比較を行った。さらに患者のQOLを検討した。

対象・方法

従来からNPHにて強化インスリン療法実施中の1型および2型糖尿病患者20例に対し、48週間デテミルを使用し、試験終了後の治療経過を確認した。さらにインスリン製剤への期待について患者への聞き取り調査を行った。

結果

試験終了後デテミル2回注射を、グラルギン1回注射に変更した患者において血糖悪化が認められ、グラルギン2回注射に変更した例が多かった。また、インスリン製剤に対して血糖の安定化への期待を持つ声が多く聞かれた。

考察

デテミルは、HbA1cの改善とともに、低血糖の減少や血糖変動も従来のインスリンに比して少ないことから、患者に安心感を与え、期待のできるBasal Insulinである。

糖尿病患者の動脈硬化進展に対するチアゾリジン誘導体(TZD)併用効果についての検討

斎藤三代子、高柳尚子、大和田直樹、遅野井健

目的

糖尿病薬物療法におけるチアゾリジン誘導体(TZD)の併用意義について検討する。

対象・方法

対象は2型糖尿病患者845例で、治療法毎にインスリン群(245例)、分泌群(SU薬、グリニド:210例)、非分泌群(α-GI、BG:390例)とし、インスリン群以外ではTZD併用の有無を加えて、1年間隔でmaxIMT(mm)を検討した。

結果

(1)治療法別検討:HbA1cは分泌群、非分泌群で改善し、分泌群でのmaxIMTの増加1.06±0.23から1.08±0.23はインスリン群より大きく、インスリン群の年間変化量-0.003±0.136は他の2群より小さかった。
(2)TZDの有無での検討:HbA1cはTZD併用で改善し、maxIMTはTZD併用無で顕著に肥厚した。

結語

TZDの併用療法は動脈硬化の抑制に有用と考えられた。