2009年5月20日~2009年5月24日
- 大阪国際会議場
- リーガロイヤルホテル大阪
- ホテルNCB
1型糖尿病患者におけるBasal Insulinに関する検討 -グラルギンからデテミルへの変更の有用性について-
那珂記念クリニック 遅野井健、斎藤三代子、道口佐多子
目的
1型糖尿病患者における適正なBasal Insulinを検討すること。
対象・方法
グラルギンを用いた強化インスリン療法にてもコントロール不十分な1型糖尿病患者60例を対象とし、インスリン投与回数やBolus Insulinの種類、α-GIやBGなどの内服薬は変更せずに、Basal Insulinをデテミルに変更し、インスリン投与量の調整でコントロールの改善を図った。
結果
平均観察期間は9.0ヵ月(6から11ヵ月)であり、変更前のグラルギン投与回数は1回:5例、2回:55例であった。HbA1cは7.85%から7.66%と改善傾向を示し、GAは27.0%から25.7%と改善した。インスリン投与量は総・Basalとも増加した。BMIは22.4から21.9と低下した。
考察
1型糖尿病患者では作用の安定したBasal Insulinが求められ、デテミルはより理想に近いものと思われた。
1型糖尿病患者においてメトフォルミンの併用は有用か? -血糖・脂質およびインスリン使用量についての検討-
那珂記念クリニック 斎藤三代子
目的
メトフォルミンによる1型糖尿病患者のコントロールへの影響を検討。
対象・方法
患者20例(男8例 女12例 年齢56.7±17.5歳 罹病期間13.1±9.3年)にグリコラン500または750mg/日を6ヵ月間投与。HbA1c、体重、インスリン使用量を月毎に調査。開始時と6ヵ月後に血清脂質を測定。
結果
開始時HbA1c9.5±1.4%は1、3、6ヵ月後に9.1±1.5、8.8±1.5、8.7±1.7と改善し、6ヵ月後には全体で平均0.8±1.2%改善した。1日インスリン使用量33.2±10.6単位は34.3±10.3、33.7±10.7、35.8±13.3と不変。BMI22.4±2.3kg/㎡は22.3±2.5、22.1±2.7、22.1±2.5と3、6ヵ月後に低下傾向。LDL-C109.2±22.4mg/dlは6ヵ月後101.4±20.3と改善。6ヵ月後にHbA1c1%以上の改善者は、開始時において10.1±1.1%と非改善者の8.8±1.4%に比して高値。
結語
1型糖尿病でのメトフォルミン併用は有用。