糖尿病療養指導のためのツール開発
糖尿病の治療の基本は、まず病気を知って頂くこと、知識を持って頂くことです。これを患者教育といいます。我が国では、糖尿病患者数に比べて、糖尿病専門医がいまだ少ないうえに、日本糖尿病療養指導士認定の医療スタッフは年々増えていますが、今なお人数不足と地域偏在があります。その上、標準的な糖尿病教育支援ツールがなく、各医療施設での療養指導レベルにもばらつきがありました。
そこで、当院の遅野井 健 院長と療養指導士でもある看護師 道口 佐多子 副院長が2002年に「糖尿病療養指導カード」の原型を開発しました。
日本糖尿病協会の清野 裕 理事長は遅野井 院長の実践を聞き、 2014年に協会の事業として進めることを決めました。
協会は、当院の原型を基に、効率的に患者を指導するための「糖尿病療養指導カードシステム」として製作しました。
協会は、糖尿病療養指導を、患者さんごとにきめ細かく効率的に行うために、このカードシステムの全国への普及活動を行っています。
当院は、協会が開催するカードシステム講習会の、講師として普及活動を支援するとともに、院内の医療スタッフの多くに日本糖尿病療養指導士の資格を取得させ、患者さんの自己管理(療養)を指導しています。